英米法の基礎知識

英米法と大陸法

アメリカ法は、英米法(Anglo-American Law)と総称されるように、イギリスの法制度を継受したものです。そして、イギリスの法体系は、コモンロー(Common law)に起源を有しています。コモンローは、個々の判例の積み重ねで法が形成される判例法主義に基づいています。なお、19世紀までは、衡平法(equity)と呼ばれるものが、コモンローでは妥当な結論を導けず当事者を救済できない場合にこれを補う法源として発展しましたが、現在は判例法に吸収されています。但し、仮処分がequitable reliefと呼ばれるように、現在でもこのequityの名残は残っています。

世界を2分するもう一つの法体系は、大陸法(Continental Law)と呼ばれるものです。ここで、大陸(Continent)とは、イギリスから見たヨーロッパ大陸を指し、ドイツ、フランスに代表される国々ですが、その起源にはローマ法が存在します。そして、この大陸法は、制定法主義に基づいています。大陸法は近代化されたローマ法という意味で、Civil Lawと呼ばれることもあります。

日本は、明治時代に民法典、刑法典といった基本法に大陸法の考え方を大きく取り入れており、基本的に大陸法系に属するとされます。もっとも、終戦後、憲法をはじめとして、刑事訴訟法、独占禁止法、証券取引法(現金融商品取引法)など多くの法分野で、アメリカ法の強い影響を受けた立法や法改正が行われました。そのため、日本の法制度は大陸法を基調としながらも、アメリカ法ないし英米法の影響を強く受けたものとなっています。

契約の成立要件

英文契約書が法的に成立して有効と認められるためには、次の4つの要件を満たさなければなりません。

すなわち、(1)契約当事者間の合意(Agreement)、(2)約因(Consideration)、(3)契約締結能力(Legal Capacity)、(4)抗弁事由のないこと(No Defense)です。

(1)契約当事者間の合意(Agreement)
各当事者間で合意が成立することです。申込み(Offer)と承諾(Acceptance)が合致することにより、合意(Agreement)が成立します。
(2)約因(Consideration)
対価関係、つまりギブアンドテイクの関係のことです。
(3)契約締結能力(Legal Capacity)
契約を締結する法的能力であり、例えば、未成年者や代表権限のない者が締結した契約書は無効となります。
(4)抗弁事由のないこと(No Defense)
いったん成立した契約の効力を否定する(無効や取消し)事由がないことを言います。
例えば、詐欺、脅迫、公序良俗違反がないことを指します。